事件簿
紅麹関連製品の健康被害は何が起きた?原因と制度の見直し
結論
2024年3月22日、事業者が紅麹関連製品の使用中止の呼びかけと自主回収を発表し、4日後に厚生労働省が大阪市へ3製品の廃棄命令等の措置を依頼した(厚生労働省資料)。原因は工場内の青カビ由来のプベルル酸と推定され、その推定は事業者の発表から67日後に公表された(厚生労働省資料)。その後、機能性表示食品の制度が見直された。健康被害情報の提供は2024年9月1日から義務になり、錠剤・カプセル剤等の製造管理の基準(GMP)は2026年9月1日から実施とされた(消費者庁資料)。
届出番号は
パッケージに書いてあるよ
時系列の表(日付・出来事・出典)を開く
| 日付 | 出来事 | 出典 |
|---|---|---|
| 事業者が自主回収を発表 事業者が、使用中止の呼びかけと自主回収を始めた。 | 厚生労働省 健生食監発0326第6号(2024年3月26日) | |
| 国が自治体に廃棄命令等を依頼 国が大阪市に、3製品の廃棄命令などを依頼した。 | 厚生労働省 健生食監発0326第6号(2024年3月26日) | |
| 原因は工場内の青カビと推定 原因は、青カビ由来のプベルル酸と推定された(厚労省資料)。 | 厚生労働省 公表資料(国立医薬品食品衛生研究所の取組) | |
| 機能性表示食品の制度が見直し 健康被害の報告が義務になり、製造管理の基準(GMP)も要件になる。 | 消費者庁 食品表示課「機能性表示食品の今後について」(2024年8月。2025年1月28日一部修正版) |
紅麹関連製品の健康被害では、何が起きた?
2024年3月22日、事業者が紅麹関連製品の使用中止の呼びかけと自主回収を発表した。2024年5月28日には、原因の推定が厚生労働省の資料で示された。同じ年には機能性表示食品の制度の見直しも決まり、事件は製品の回収から制度の変更へと広がった。
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発表
事業者が自主回収を発表
3製品自主回収の対象
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対応
国が自治体に廃棄命令等を依頼
4日後事業者の発表から
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原因
原因は工場内の青カビと推定
67日後事業者の発表から原因の推定公表まで
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制度
機能性表示食品の制度が見直し
2026年9月錠剤・カプセルの製造基準が要件になる
最初の動きは、事業者(小林製薬株式会社)による発表である。自主回収とは、事業者が自らの判断で、販売した製品を市場から引き上げることである。回収の対象は3製品とされた(厚生労働省資料)。
発表から4日後の2024年3月26日、厚生労働省は大阪市に対し、対象の3製品について廃棄命令等の措置を依頼した(厚生労働省 健生食監発0326第6号)。この日の内容は、同日付の厚生労働省通知に記されている。
原因の推定が公表されたのは2024年5月28日で、事業者の発表から67日後だった(厚生労働省資料)。続いて消費者庁が機能性表示食品の制度の見直しをまとめ、健康被害情報の提供義務は2024年9月1日から施行された(消費者庁資料)。
編集部は、厚生労働省と消費者庁の公表資料だけを使ってこの経過を整理した。日ごとの出来事は、この記事の時系列の表で確認できる。
原因は何だと推定されている?
厚生労働省の資料では、原因は工場内の青カビに由来するプベルル酸と推定された(厚生労働省資料)。資料が示したのは「推定」であり、この記事でも確定した原因としては扱わない。
プベルル酸とは、この資料で、工場内の青カビが米の培地で作ったとされた化合物である。青カビの種類は P. adametzioides とされ、和歌山・大阪の工場で、培養段階に混入したと推定された(厚生労働省資料)。
資料によると、動物実験では、ラットの腎臓の近位尿細管に変性・壊死などの所見が見られた(厚生労働省資料)。近位尿細管とは、腎臓の中で尿のもとになる液体が通る管の一部である。原稿はこれをラットの所見として扱っており、人への当てはめは扱っていない。
資料では、化合物Y・Zが関わっているかどうかについて、動物実験で引き続き確認するとされた(2024年5月28日 厚生労働省資料)。原因の全体像には、資料の時点で調べている途中の部分が残っていた。
事件のあと、規制や行政の対応はどう変わった?
機能性表示食品の制度が見直された。健康被害情報の提供が義務になり、錠剤・カプセル剤等には製造管理の基準が要件として加わることになった(消費者庁 食品表示課「機能性表示食品の今後について」)。施行の時期は2段階に分かれている。
機能性表示食品とは、事業者が消費者庁に届け出たうえで、食品の機能性を表示する食品である。見直しの内容は2024年8月23日に公布された(消費者庁資料)。このうち健康被害情報の提供義務は、2024年9月1日に施行された(消費者庁資料)。
GMPとは、製造管理の基準のことである。錠剤・カプセル剤等のGMP基準は、2026年9月1日から実施とされた(消費者庁資料)。この記事で扱う資料の範囲では、見直しは「健康被害の情報を集めること」と「製造の工程を管理すること」の2つに関わる。
行政の初動では、事業者の発表から4日後に、厚生労働省が大阪市へ3製品の廃棄命令等の措置を依頼している(厚生労働省 健生食監発0326第6号)。回収の発表、国からの依頼、原因の推定、制度の見直しという順で、対応が進んだ。
健康食品を使っている人は、何を確認すればいい?
編集部が確認先として挙げるのは、届出番号、製品の形と製造管理の基準、相談先である。どれも、購入や摂取を自分で判断するための材料として使える。
機能性表示食品の届出番号は、パッケージに書かれている。届出番号から、消費者庁の届出情報を確認できる。事業者の広告とは別の場所で、届け出の内容を見る手段になる。
錠剤・カプセルの製品には、2026年9月から製造管理の基準(GMP)が要件になる(消費者庁資料)。製品の形によって製造に求められる基準が変わる。この点を知っておくと、表示や公表情報を読むときの手がかりになる。
健康被害が疑われるときは、保健所に相談できる。体調の異変に気づいたときに、どこに連絡できるかをあらかじめ知っておくことが、判断の材料になる。
体調に不安がある場合や、持病・服薬がある場合は、医師・薬剤師に相談してください。
ここは
見落としがち…
紅麹の事件から、何を学べる?
この事件のあと、機能性表示食品の制度に2つの仕組みが加わった。健康被害の情報を集める仕組みと、製造の工程を管理する仕組みである(消費者庁資料)。読者にとっては、表示の中身だけでなく、届出情報や製品の形にも目を向ける材料が増えた。
原稿で扱った資料が原因について示したのは「推定」までだった。一部の化合物については、引き続き確認するとされた(厚生労働省資料)。何が確定し、何が推定のままかを分けて読むことが、新しい公表資料を受け取るときの手がかりになる。
今回の経過は、事業者の発表、国から自治体への依頼、研究機関による原因の推定、制度の見直しという順で、公表資料に記録されている。日付と出典を順に追うと、情報がどの段階のものかを読み分けられる。
編集部は、特定の企業や製品を評価しない。公表資料の日付と内容を順に並べ、制度の変化と、読者が自分で確かめられる場所を示すことにとどめる。
よくある質問
体にいいイメージ
だったのに…
紅麹そのものが危ないということ?
厚生労働省の資料では、原因は工場内の青カビ由来のプベルル酸と推定された。原稿は紅麹という素材全般の評価は扱っていない。編集部も、公表資料にない評価は加えていない。
機能性表示食品の届出番号はどこで見られる?
届出番号はパッケージに書かれている。その番号から、消費者庁の届出情報を確認できる。何を根拠にどんな表示をしているかを、広告とは別に確かめる手段になる。
GMPが要件になると、何が変わる?
GMPとは、製造管理の基準のことである。消費者庁の資料では、錠剤・カプセル剤等のGMP基準は2026年9月1日から実施とされた。具体的な基準の中身は原稿では扱っていないので、消費者庁の資料を参照してほしい。
原因はもう全部わかったの?
資料が示したのは、青カビ由来のプベルル酸という「推定」である。化合物Y・Zが関わっているかどうかは、動物実験で引き続き確認するとされた(2024年5月28日 厚生労働省資料)。その後の結果は原稿では扱っていない。
健康食品で体調が悪くなったかもしれないときは?
健康被害が疑われるときは、保健所に相談できる。体調に不安がある場合や、持病・服薬がある場合は、医師・薬剤師に相談してください。
出典
原著も
見てみようかな
公的機関の資料
- 厚生労働省 健生食監発0326第6号(2024年3月26日)(2026年10月30日 閲覧)
- 厚生労働省 公表資料(国立医薬品食品衛生研究所の取組)(2026年10月30日 閲覧)
- 消費者庁 食品表示課「機能性表示食品の今後について」(2024年8月。2025年1月28日一部修正版)(2026年10月30日 閲覧)
- NCCIH: Red Yeast Rice(2026年10月30日 閲覧)
本文の [1] [2] は上の番号の論文です。原著照合日:2026年10月30日。数値は原著・公表資料と照合したものだけを載せています(照合の手順)。